暮らしに溶け込む印刷技術たち

暮らしに溶け込む印刷技術たち

2025/06/04

暮らしに溶け込む印刷技術たち

今回は暮らしをより便利にする印刷技術を取り上げます。
今まで2回にわたり、“紙幣”“3Dプリンター”というちょっと変わった視点から
「印刷技術」にまつわる題材をコラムとして取り上げてきました。

ひとえに「印刷技術」と言っても、印刷方法や使われる技術にはたくさんの違いがあります
そう、その中身はとても奥深く幅広いのです。
今回は『身の回りの印刷技術』というテーマで、
日常生活で使われている技術やそれに関連する工夫などについて、
ちょっとした情報をお届けできればと思います。

今回取り上げるのは、新聞とレシートの印刷についてです。

暮らしに溶け込む印刷技術たち

1.新聞-超高速印刷を可能にする“輪転機”とは?
突然ですが、あなたはニュースや最新の情報などをどこでチェックしていますか?

このコラムを読んでくださるくらいネット慣れしている方なら、
最近は「テレビやスマホ、パソコンなどで最新のニュースを見ているよ」という人も
多いのではないかと思います。
筆者も空き時間や夜などにテレビやスマホで確認することが多いです。
近年、インターネットなどのデジタル面の発展もあり、
いつでもどこでも手軽に見ることができるようになったニュース。
さらにSNSの登場などで、個人でも情報を発信できるようになり、
ネット上は情報やニュースで溢れかえっています。

でも、手軽に見ることができるようになったのは比較的最近のことで、
それらがなかった少し昔は「新聞」がニュースを見るための重要な手段でした

日本全国で全国紙や地方紙なども含め、大量の部数を発行している新聞ですが、
その最大部数は1997年に5,376万部を記録しています。
今でこそ発行部数は半減したものの、そんなに大量の新聞を毎日どのように印刷しているのでしょうか?
まずはそのことをテーマとして取り上げたいと思います。

新聞印刷機とは、大量の新聞を高速で作り上げるための大型の機械です。
「輪転機(りんてんき)」とも呼ばれています。

▶輪転機とはどのようなものなの?
高速で大量に印刷することによって1枚当たりのコストを低く抑えることができる、
新聞をはじめとしてカタログや雑誌などの印刷に適したプリンター
です。
大量印刷とは逆の小ロット印刷にはあまり向かなかったり(コストがかかったりなどするため)、
大型機械ゆえに広い設置スペースが必要などの課題もありますが、新聞印刷には、たいていの場合オフセット印刷ができる「オフセット輪転機」が使用されます。

▶連続高速印刷
巨大なロール紙(トイレットペーパーのような形をしたもの)を使い連続して印刷を行います
インクと紙を絶え間なく送り込む仕組みがあるのでそれらを補充する時間も省略できます。
そういったこともあり、印刷速度はとても速く、一時間に数万~数十万部の新聞を印刷することが可能です。

▶仕上機能
仕上の機能としては、印刷した後はまだインクが乾いていないので機械の中で乾かす機能。
裁断する機能。印刷された新聞紙の折りたたみまで行ってくれる(ので、完成時にはすでに新聞の形が出来上がっている)機能などもあります。

朝刊の場合、仕上げまでの全ての印刷工程をおおよそ2~4時間程で終わらせることができるようです。
(かかる時間は印刷する量や内容により前後します)
そして、出来上がった新聞は地域ごとに仕分けされ、トラックにて販売店に運ばれます。
そして販売店から1軒1軒配達される、というわけです。

早朝にはお店や購読者の家などに配達完了になっていなければならないので、
輪転機の印刷はとにかくスピードが勝負、量と速さに特化した印刷機というところでしょうか。
新聞はこのようなやり方で毎日私たちの手元に届くのですね。

新聞の発行部数が減少の一途を辿っている背景としては、
先ほど挙げたデジタル面の発展や、“若い人が新聞をあまり読まなくなったこと”を含め購読層の高齢化、
夕刊の廃止や販売所の統廃合、遠方への配達を停止するなどの発行エリア縮小など色々あるようです。
そのため紙の新聞は近い将来無くなるのではないか…とも言われています
個人的には、紙には紙の良さがあるので、無くなる(かも)というのは不便に思います。
不便ですが、印刷や配達などそれにかかわる人たちの生活が成り立たないのでは元も子もないですし、難しい問題だと思います。

暮らしに溶け込む印刷技術たち

2.レシート-“感熱紙”で素早く印字する
買い物をするとたいていお釣りなどと一緒に受け取るレシート。
レシートの紙ってだいたい表面がつるつるしていますよね
。実はそのレシート、印刷をするときに“インクを使っていない”というのはご存じでしたか?

言われてみると、つるつるしている部分にインクで印字なんてしたら、
レシートを受け取る時点ではまだ乾ききっていなかったり色移りしたりもしそうなものです。でもそんな話は聞かないですよね。
なるほど、インクを使わない方法で印字していたんですね。

次は、だれもが手にしたことがあるであろうこの身近なレシートがテーマです。

▶感熱紙ってなに?
レシートに使われる、このつるつるした紙は「感熱紙」と呼ばれるもので、
つるつる部分には「熱をあてると化学反応を起こし色が変わる特殊な薬剤」が塗られています。
専用の機械(感熱プリンター)で熱をあてることで
インクやトナーを使わず黒などの色を出し(発色させて)文字や図を印字することができる
のです。
ちなみに、感熱紙かどうかを確認する方法としては、
爪や硬いものでこすってみることで黒く変色しますので簡単に確認できます。

▶感熱印刷について
感熱プリンターを使った印刷は非常に早く、
プリンターの先端部分で感熱紙の表面を部分的に熱し、その部分が発色するものの数秒で完成します。
感熱印刷は印字が早く大量に行える上、経済的、インクも不要、
またプリンターそのものは構造が簡単で故障が少ない
などの利点があります。

▶感熱紙レシートの保管方法
逆に感熱印刷の欠点としては、普通の紙には印刷ができないこと。
また、光や熱、湿気・摩擦・薬品類・油などに弱く、印字した文字が消えやすいため長期保存には向かないことが挙げられます

保存期間は(環境にもよりますが)目安として3~5年くらいと言われているようです。
でも、場合によってはレシートを長期保存しておきたいこともありますよね。
そのとき、レシートの印字が消えないようにするには?どのように保管をすればよいのでしょうか。
写真を撮ったりコピーを取って残す、出金伝票に内容を記録し直して保存するという方法もありますが、
もしレシートそのものを残したい場合は、
「高温多湿や直射日光を避け、印字面を内側に折って保存する」というのが環境としては良い
ようです。
あと、以前から気になっていたのですが、
セロハンテープを文字の上に貼ると消えてしまうことがあります。
朱肉を使った判を文字の上に押すと文字が消えたりすることも。
どちらも化学反応によって起こる事象だそうです。
長期保管したい場合等は、印字箇所に被せるのは避けたほうが良さそうですね。

レシート(感熱印刷)について見てきました。
「お店で、会計と同時に印字を行い、
インクがかすれたりにじみのない状態でお客様をあまり待たせることなく、すぐその場で提出ができる。」

それが当たり前と思っていましたが、実は印刷技術に支えられてこそできる「すごいこと」なのかもしれませんね。
輪転機の時も思いましたが、どちらも時と場所に合った便利な技術です。


さて、新聞紙とレシートにまつわる印刷技術についてお届けしました。
本当は、この後も続いて取り上げたい話題がまだいくつかあったのですが、
かなり長くなりそうなので今回はここまでにします。
また今回の続きや新たな発見などありましたらこのコラムにて紹介するので、よろしければ見に来てくださいね。



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